「東京ホームレス就業支援事業推進協議会(東京ジョブステーション)」は、平成17年「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」に基づく就業支援事業を実施するための受け皿として、東京都、特別区、経済団体、労働団体等を構成員として設立されました。ホームレス対策にとって、就業支援が最も大切だという考えから、民間企業等から幅広く仕事を集める仕組みを作り、就業機会の確保・拡大を図ることを目的としております。
ホームレス(路上生活者)の数は、全国ベースでは平成15年の25,296人をピークに令和5年の3,065人まで一貫して減少しております。しかし、このことは、直ちに生活に困窮している人々の減少を意味するものではなく、路上や公園などで起居する典型的なホームレスではない、所謂「ネットカフェ難民に類する人たち」は増加しているものと考えられます。
また、当協議会利用者の就業状況を俯瞰してみますと、平成31年度の就業者数は1008人、令和2年度552人、令和5年度663人となっております。これは、新型コロナ感染症蔓延に伴い、就業人数が大きく減少したものが、新型コロナ感染症終息後もなかなか回復しないことを示しております。就業実績の低迷については、利用者が何らかのハンディキャップを抱えていることもその要因と考えております。
当協議会としては、こうした状況に対応するため、ホームレスのニーズにマッチした多様な求人案件を獲得することに注力してまいります。また、当協議会は、令和2年度から「日雇労働者等技能講習事業」(国受託事業)を実施しております。本事業を積極的に活用して、ホームレスの就業能力の向上を図り、求人側のニーズに適合した人材の紹介を実現したいと考えております。
ホームレスにとって、「就業による自立」を促すことが重要な支援であるという、当協議会設立の趣旨をご理解いただき、ぜひ皆様のご協力をお願いいたします。